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2015年1月25日日曜日

【祝 鉄コレ化!!】 東急デハ3500 長文解説

↑3515F
平成元(1989)年3月、田園調布~奥沢間にて撮影

東急3000シリーズ引退その後からの続きとして。。。
来月の「ヨコハマ鉄道模型フェスタ」の電車市場特注鉄道コレクションは東急3500と昨日発表されました。
この機会にこの電車の地元出身者として末期の頃を勝手に解説いたします。

デハ3500は末期にはサハを中間に挟んで上り方に偶数番号、下り方に奇数番号(上り方デハの番号+1)という規則正しい編成を組んでおり、デハ3450ほど無慈悲(!)なまでのバリエーションは無いですが、それでも微妙な違いがあります。
各車共通して、
  • 張上げ屋根化&前尾灯移設(いわゆる海坊主化)
  • MGを撤去して固定編成化(S47~51) 補助電源装置はサハに設置
  • 助士席側前面窓左上に巻取り式運番表示設置(S54頃)
  • 運番表示器の下窓に電照式行先表示器を設置(S59末頃?)
を施されています。

編成組成↓
3501-3256-3502   3503-3252-3504
3505-3371-3506   3507-3254-3508
3509-3255-3510    3511-3251-3512
3513-3257-3514    3515-3365-3516
3517-3253-3518    3519-3366-3520
3521-3373-3522    (左が上り方)

 アンダーライン付きは昭和62年4月時点では池上線所属で他は目蒲線ということになっていましたが、当時の両線は同一仕様であったので3650形の編成を除いて頻繁に行き来していました。

 3503Fは3653Fとともに他編成より早く昭和63年に廃車解体。入場ついでにリバイバルカラー化された3452F,3472F,3484Fの検査を通す身代わりになったのではないかと思っています。

固定編成化されたため定期検査も3両単位で受けていたので3450形などの非固定編成のように両運転台車が代役に割って入ることはありません。

 制御器は昭和40年代に日立MMC系の新品に交換。他社では機器を変えるより車体を乗せ換えるのが流行りましたが、東急は真逆の事をしているのが興味深いところ。
 余談ですが、ネットで調べるとその制御器だけが豊橋経由でえちぜん鉄道に下取りされ、先ごろ引退した旧阪神車に取付られているとかいないとか。。。

CPも横を向いたRCP-78に統一。旧国のAK-3とは印象が異なります。



その他の個体差は一覧表にまとめたかったのですが、ブログにエクセルの貼り付けができないので箇条書きしますと、、、
  • 前面中央の窓は、3503,3505,3507,3511,3520,3521が一段固定窓、他は二段窓
  • 3508は事故復旧車でノーシル・ノーヘッダー・張上げ屋根・前面貫通路有り
  • 側面客用扉は、3501,3502,3513,35143365,3366が小窓、それ以外は大窓
  • パンタは、グリーンマックス製品で例えると、3505,3506,3522は“PT43”のような一つに結合し、かつパンタ本体関節部の横棒が無いタイプ、他は“PT42”のタイプ
  • 中間のサハは、3370番台はシル・ヘッダー有りの張上げ屋根(上り方平妻,下り方丸妻)、3365はノーシル・ノーヘッダーの普通屋根かつ切妻・ガラベン5個、残りはノーシル・ノーヘッダー・普通屋根・平妻・ガラベン6個
  • 補助電源は、3252~3257は小出力SIV(!)、後はMG
  • 台車は、3500は全車“日車D型”と酷似したタイプ、33653366は“川車3450”(デハ3450の廃車発生品)、3370番台3251は“YS-T1”、3252~3257が“TS-322”ただし3255~3257の(1)側台車にはレール塗油器付き
  • 3500の中にライト位置がわずかに異なる車があったと聞いていますが、ワタシは未確認です
  • 一度火災に遭った3513は屋上ベンチレーターが片側6個×2列(他車は片側5個)連結面側に寄っている
編成単位で見ると案外違いが有るんです。模型で忠実に再現する際はご注意を!!
…あぁややっこしい><

 まぁこんな重箱の隅を突くようなことを指摘すると嫌われるのでワタシなら床下だけいじった上で6両にして廃車回送の雰囲気だけを楽しみますけどネ。。。



せっかくの機会なので廃車回送の組み合わせを鉄道ピクトリアル No.513から転載します。

   H1-3-18 奥沢→長津田
日中:3505F+3521F・3519F+3651F・3517F+3493F
夜間:3511F+3655F・3507F+3501F
   奥沢→鷺沼
夜間:3515F+3474F

   H1-3-19 奥沢→長津田
3454F+3452F・3484F+3483F
   奥沢→鷺沼
3509F+3494F・3513F+3460F

   H1-3-29 雪が谷→目黒→長津田→雪が谷(客扱いは目黒→長津田間)
3472F ※関係者向けさよなら運転会

 特筆したいのが3505F+3521Fの組成。6両全車がウインドシル・ヘッダー有りの張上げ屋根で統一されるという3000系列とは思えない整った編成美で走りました。

とにかく! また大喜びで入手に奮闘します!!
















参考資料(順不同)

  • 山と渓谷社/20世紀なつかしの東京•大阪の電車
  • 北川俊一著/池上線 目蒲線
  • 保育社/私鉄の電車4 東京急行電鉄
  • 電車とバスの博物館/東急の電車たち
  • 電気車研究会/鉄道ピクトリアルNo.513,No.600,No.749
  • 山と渓谷社/ヤマケイ私鉄ハンドブック2 東急
  • 交友社/鉄道ファンNo.243,No.336,No.338
  • ネコ•パブリッシング/鉄道車両ガイドvol.16 東急目蒲•池上線の旧型車
  • レイルロード/東急電車形式図1~2
  • 電車とバスの博物館/さよなら3000系(ビデオソフト)

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1 件のコメント:

  1. 3513号車のベンチレーター配置について、誤りがありましたので訂正しました。
    お詫びして訂正いたします。

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